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2023年4月より賃金のデジタル支払が可能になります
2022.12.01労働基準
厚生労働省は28日、労働者の同意を得た場合に可能となる賃金
改正のポイント
現在は、労働基準法及び同法施行規則において、賃金は、原則、「通貨」で、「直接労働者」に、その「全額」を支払わなければならないとされており、ただし、施行規則により使用者は、労働者の同意を得た場合には、以下の方法で支払うことができることとなっています。
①当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
②当該労働者が指定する金融商品取引業者に対する当該労働者の預り金への払込みにより賃金を支払う
昨今では、①②に加え、キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進んでおり、 資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズも見られることから、労働者の同意を得た上で、一定の要件を満たした場合には、労働者の資金移動業者の口座への賃金支払を可能とすることとなりました。
具体的には、賃金の支払方法として、労働者の同意を得た場合に、次の①~⑧の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた「指定資金移動業者」のうち、労働者が指定する口座への資金移動により賃金を支払うことを可能とすることとなります。
以下の要件を全て満たす場合に、厚生労働大臣が指定することとなります。
1.
口座残高の上限額を 100 万円以下に設定していること又は100 万円を超えた場合でも速やかに100 万円以下にするための 措置を講じていること。
2.
破綻などにより口座残高の受取が困難となったときに、労働者に口座残高の全額を 速やかに弁済することを保証する仕組みを有していること。
3.
4.
最後に口座残高が変動した日から、特段の事情がない限り、少なくとも 10 年間は労働者が口座残高を受け取ることができるための措置を講じていること。
5.
賃金支払に係る口座への資金移動が1円単位でできる措置を講じていること。
6.
ATMを利用すること等、通貨で賃金の受取ができる手段により、1円単位で賃金 の受取ができるための措置を講じていること。
<参考リンク>
・官報 「厚生労働省令第158号」
指定資金移動業者として厚生労働大臣がしている基準
労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰すことができな い理由により口座残高に損失が生じたときに、その損失を補償する仕組みを有してい ること。